服薬するタイミングを切り替えて、仕事で成果を出した事例

「服薬するタイミングを切り替えて、仕事で成果を出した事例」

医療法人社団 益友会 どんぐり発達クリニック理事長
医学博士 宮尾益知


「大人の発達障害を考える」の事例でも紹介した患者さんについて、詳しくご紹介します。

この女性は、ある有名な大学の教授でした。お子さんについての治療を行っていたのですが、途中からご自身の悩みが語られてきました。有名な方で沢山の論文も書かれていました。

この方からの悩みは、子どもとの関係でした。職場では忘れたり、うっかりはよくあるが、秘書の人がサポートしてくれるので、特に問題なく勤務しているそうです。

娘さんからは「自己中」といわれることが多いけれども、確かに自分のことを優先しているけれど、なぜそう言われるのかは分からないそうです。治療が功を奏し、お子さんがよくなったので、この方にも中枢神経刺激薬を使い始めました。

服薬を開始して、一番最初の感想は、「家に帰ったときに、子ども第一と考えられるようになり、家事なども、てきぱきと行えるようになりました。」

さらに驚いたのは、ある人の話を聞いたときに、涙が出たことだそうです。今まで泣いたことがなかったのに、涙が流れたことに、驚いたのだそうです。それ以降、深く心を打つ思いがして、自然に涙が出るようになったそうです。「今までなぜ涙が出なかったのか分からないけど」とおっしゃっていました。きっと相手の身になることができるようになったんでしょうね。

こうして家庭重視になったときから、研究はぱたっと止まりました。
学会でも発表ができなくなったそうです。相手の立場、相手の気持ちをまず第一に考えて、行動する。最も科学から遠い世界かもしれません。外の世界、科学の世界はもしかしたら人の幸福は追い求めるにしても、具体的な人の立場や気持を思い浮かべて行動するのではなく、人類全体といった漠然としたものを思い浮かべて研究していくことが重要かもしれません。

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