【保育士・教育従事者向け】「発達障害の子どもを理解して、保育・教育に活かす」(3)

【保育士・教育従事者向け】「発達障害の子どもを理解して、保育・教育に活かす」(3)

医療法人社団 益友会 どんぐり発達クリニック理事長
医学博士 宮尾益知


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◆もくじ◆
「発達障害の子どもを理解して、保育・教育に活かす」(3)
13、子どもの特性のチェックポイント
14、こんな場合はどうしたら良いの?11シーン
①さわられることを嫌う
②落ち着きがない
③刺激に対して鈍感
④指示を理解しにくい
⑤体の動きを真似しにくい
⑥相手の表情や状況を読み取りにくい
⑦待つのが苦手
⑧言葉を理解しにくい
⑨突然叫ぶ、暴れる
⑩ルールが理解できない
⑪自分の世界に入りがち
15、「もしかして発達障害かも」子どもの保護者に気づいてもらうには?
16、家庭で取り組んでいる治療法を、園でも取り入れるべき?
17、発達障害に関して相談できる施設

13、子どもの特性のチェックポイント

  • 発達障害の子は、うまくいかないことに対して叱られるなどの経験を積みやすく、自分に自信を持ちにくい傾向にあります。しかし上手に育ててよいところを引き出せば、世の中の大きな財産となるような可能性を秘めています。
    自信を持って、自分なりのライフスタイルを確立できるようにしてあげたいものですね。
  • 子どもは誰でも3歳までは自分勝手なふるまいをするものですが、それは人の気持ちを理解する力や自己コントロール能力が育っていないのが理由です。
    この場合は大人がルールを作ってあげ、その通りに促せばよいのです。しかし4~5歳になると、発達障害の子どもも含めて、ある程度は相手の気持ちを理解したり、自己コントロールができるようになりますので、それを積極的に教えてあげましょう。

 

14、こんな場合はどうしたら良いの?11シーン

①さわられることを嫌う

触覚刺激が鋭いために、触られるとカッとなって乱暴なふるまいをする子がいます。
この場合はやさしくだきしめたり、豚毛の洋服ブラシなどやわらかいブラシで手や足をこすって、神経をなだめてあげましょう。軽い圧迫感を与えると落ち着きやすいため、手首にサポーターをつけてもいいですね。

②落ち着きがない

騒音など刺激が多い環境から遠ざけたり、高ぶった神経を鎮めるためにぎゅっとだきしめてあげます。手や足をやさしくもんであげたり、やわらかいブラシでこすってあげるなどをくりかえすと、過敏性がおさまることもあります。

③刺激に対して鈍感

この場合、自ら刺激を求めてあちこち動く多動になる子もいます。
朝から少し汗をかくような運動をさせるといいでしょう。散歩、ジャンプ、でんぐり返し、体操などもおすすめです。運動が苦手な子はできなくても注意せずほめて、続けることが大切です。

④指示を理解しにくい

ADHDの子どもは情報が少ないほうが理解しやすくなります
「何時に出発だよ」「~して」などとシンプルに伝えましょう。「これ」「あそこ」などの表現は避け、物の名前や場所、回数を具体的に示すといいですね。
またADHDの子どもには行動前に声をかけるのが効果的ASDの子どもには行動しているときに声をかけると効果的です。

⑤体の動きを真似しにくい

ASDの子どもは、向かい合った人の体の動きを真似するのが苦手です。
このため体操やダンスなどを教える際は、まず二人羽織の状態で教えます。その後は保育士さんが横に立って、前に鏡を置き、見ながら教えると理解しやすくなります。

相手の表情や状況を読み取りにくい

他の子どもと積極的に遊ばせて、友達づきあいのスキルを学んでもらいましょう。遊んでいるグループに連れて行って「『入れて』って言おうね」と促すと、その子は自分で言えるようになるでしょう。
怒りや喜びなどの感情を3段階で表し色づけした「気持ちシート」を使うと効果的です。また関わりの中で、保育士さんや友達が「私はうれしいよ」「いっぱいいやなの!」など自分の気持ちを口で説明してあげることも大切です。

⑦待つのが苦手

「こうすればもっとよいことがある」という動機があるとがんばれるので、待てたらごほうびをあたえるなどしてほめましょう。行動の後にうれしいことがあるとその行動は増え、うれしくないことがあると行動が減っていきます。

⑧言葉を理解しにくい

トイレやエプロンなど、よく使う物や、喜怒哀楽の表情などの絵を描いたカードを用意しておくと、やりとりがしやすくなるでしょう。

⑨突然叫ぶ、暴れる

ASDの子はささいな出来事でもトラウマになりやすい傾向があり、その出来事が頭の中にふと浮かんでパニックになることがあります。
慌てずに見守って、抱きしめてあげましょう

⑩ルールが理解できない

ASDの子は予習をさせてから物事を進めるとスムーズにいくことが多くなります。たとえばイス取りゲームなどは、最初はルールを理解することができませんが、目でみて理解させたり、1回体験することで、ほとんどのことができるようになります。

⑪自分の世界に入りがち

アニメの世界などに入り込んでいるなら、まずはその世界の中に保育士さんが入り、その中でちょっとずつ外の世界に出て行く道をつくります
最初はその子に合わせてセリフなどを言いますが、だんだんとその通りにはせず「ケーキじゃなくて給食を食べようか」など現実の世界のことを取り入れていきます。すると子どもはだんだんと現実を受け入れるようになるでしょう。
ひとりごとを繰り返すなら、保育士さんが隣で同じ言葉を隣で言うと、子どもは自分の世界に入り込まれたことがいやになり、その世界から距離を置くようになります。

 

15、「もしかして発達障害かも」子どもの保護者に気づいてもらうには?

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