【保育士・教育従事者向け】「発達障害の子どもを理解して、保育・教育に活かす」(1)

【保育士・教育従事者向け】「発達障害の子どもを理解して、保育・教育に活かす」(1)

医療法人社団 益友会 どんぐり発達クリニック理事長
医学博士 宮尾益知


◆もくじ◆
「発達障害の子どもを理解して、保育・教育に活かす」(1)
1、まずは子どもの特性を理解してあげること
2、してほしくないことをやめさせるには?
3、否定するのではなく、失敗経験を減らす工夫を
4、環境調整
5、子どもへの対応:こんなとき
6、発達障害とは、脳が果たす機能になんらかの偏りがあること

1、まずは子どもの特性を理解してあげること

保育士さんや幼稚園の先生が発達障害の子どもとの接し方のコツを知る前に、まずは子どもの特性を理解してあげることが必要です。一般に、以下のようなことを見極めていくと、その子とどのように接するとうまくいくのかがわかるようになります。

◉ 絵や写真などビジュアルのほうが理解できるか、言葉のほうが理解しやすいか

◉ 順序立てて考えるタイプか、全体をまず把握するタイプか

◉ 記憶力がいいか、悪いか

◉ 行動や動作が速いか、遅いか

 

2、してほしくないことをやめさせるには?

友達を叩く、壁にいたずら描きをするなど、してほしくないことをやめさせたい時は、むやみに禁じるのではなく、以下のような方法を試してみましょう。

  • それをしないことがどれだけ得かを教えること。
    たとえば、友達の顔を叩くなら「友達の顔には、ほほ骨っていうとがった骨があるから、叩くと君の手が痛くなるよ。叩くなら肩を叩いてあいさつしようか」と促してあげます。
    するとその子は、自分が痛い思いをしたくないので、友達の顔を叩くことをやめるでしょう。
  • やってもいい場所や時間を決めること。
    たとえば、いたずら描きをするなら、描いてもいい壁を決めて紙を貼っておき、思う存分に描かせる、などしましょう。または、時間を決めてその時だけ描かせるルールにすると、描いてはいけない場所や時間にはいたずら描きをやめるでしょう。

 

3、否定するのではなく、失敗経験を減らす工夫を

  • 何か失敗した時に、叱られたり、否定されたりするだけで終わると、想像力の乏しい子どもは、どうしたらよいかわからなくなってしまいます。
    本人の行動や言動を頭ごなしに否定するのではなく、話をよく聞くことも大切です。そうして「そうだね」と受け入れた上で、「だけどこうしたほうが、あなたにとっては得だったよね」などと、どうすれば自分にとってよい結果になったのかを教えてあげるといいのです。
  • あらかじめ子どもの失敗経験を減らす工夫も大切です。
    たとえば入ってはいけない部屋がある場合は「この部屋に入ってはいけないよ」と言うだけだと、その子はどうしたらいいかわからずパニックになってしまいます。
    「この部屋には入れないから、お昼寝の後は隣の部屋に行こうね」と促してあげると、その子はその通りにするでしょう。
    良い行動ができた時には十分にほめたり、だきしめるなどしてごほうびをあたえることも大切です。

 

4、環境調整

子どもが落ち着いて過ごせるよう、園での環境や生活スタイルをととのえることも大切です。

  • まず1日の行動に合わせた動線を作ってあげること。
    たとえば外遊びから帰って手を洗った後、手を拭くタオルをそばにかけておく。その先に給食を食べるテーブルを置き、食べた後は子どもがお皿を下げるためのトレイを用意しておく。その先に着替える服の置き場所を作り、着替えた後は昼寝に入れるよう、ふとんを敷いておく、など。
    子どもが戸惑わないよう、家具の配置や道具の置き場所は固定することも大切です。

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