発達障害と、家族の在り方へのアドバイス

「発達障害と家族の在り方」

医療法人社団 益友会 どんぐり発達クリニック理事長
医学博士 宮尾益知


 

■母親と娘の関係

女性と母親との関係はとても複雑です。特に母親が子どもと同様の発達障害的特徴を持っている場合、母からは目の前の子どもが過去の自分であり過去の自分が母からされていたことを無意識に、自分の娘にもしてしまいます。具体的には、感情的に怒ったり、殴ったり、外に出したりといったことです。

 

このような自分の中にいる子供時代の自分をインナーチャイルドといいます。そのことに気づかないと、母と娘の関係はどんどんエスカレートしていきます。気づかないとまだよいのですが、分かるようになると自己嫌悪に陥ります。

もう一度つらかった子供時代の自分を振り返り、母も今の自分と同じ思いをしていたのだ、と気づくようになると、母を許せるようになります。このように自分が子どもを持って、母の思いを体験しないと子供時代のつらかった自分と母との思いを持ったままで生活を送ることになります。自分を愛せない自分、自分が大丈夫だと思えない自分、何があっても自分を支えてくれる人がいると思えない自分を持っていることを、家族が分かるようになっていることが大切ですが、これはとても難しいことです。

 

■父と母は、いつも別の立場になっていること

発達障害があると、自分勝手で、だらしない、何度言っても同じ間違いをするといった特徴があります。こうして両親や兄弟を始め、皆でその非を責めて、攻撃し続けることになります。母はもちろんそうですが、父が同じように攻撃することは得策ではありません。いつなんどきも、父と母は同じ立場に立たないことが大事です。母が怒った時は父が、父が怒ったときには母が逃げ場所に成り、母のサポートもしながら子どものよいところを認めてあげるようにしなければなりません。こうしていないと、家の中がいばらの館のようになってしまいます。このような状況では、発達障害があろうとなかろうと、健康な心を持つことはできないと思います。

 

■構造化とルーティン化

毎日の生活で基本となる部分は、「構造化」を心がけましょう。「構造化」とは、場所と時間と方法をわかりやすい形に決めてしまうことです。

もっとよいのは「ルーティン化」してしまうことです。ベルトコンベアーのように自然に、物事が流れていくことが一番うまくいきます。行動する場所に行き、決まったことを決まったように、決まった時間にするのです。幼児期から学童期初期までに、起床してから登校まで、帰宅してから寝るまでのベルトコンベアーのようなパターンを作っておきましょう。もしかしたら、このルーティンをその通りに実行することが、逆に「こだわり」になってしまうかもしれませんが、やってみる価値はあります。

 

■両親の関係性を適切に保つ

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