大人の発達障害を考える

「大人の発達障害を考える」

医療法人社団 益友会 どんぐり発達クリニック理事長
医学博士 宮尾益知


 

私は、子どもの発達障害の問題で来られたお母さんから、「私も診察してほしい」といった訴えを聞くことがよくあります。「自分も治療してほしい」と言われるわけです。

「子どもと同じ症状がある」と、お父さんのことを相談されることもあります。

あるお父さんは、大会社の部長としてキャリアを築いていました。しかし、お父さんに同じ発達障害の症状がみられており、お母さんからは、「うちの子どもがこのまま大人になると、女性が不幸になるから」と話していました。こうした発言は、お父さんに発達障害の症状がみられる場合、よく聞かれる発言です。

ただ、お父さんを直接治療したことは数えるほどしかありません。医師と患者としての関係性がキチンとできていない状態で治療すること、そして、ご自分が発達障害だと認識していない状態での治療は難しいのです。時には、自己理解が深まるにつれて、発達障害という現実に悩み、うつになる方もいらっしゃいます。

 

私たちは、子どもをよくするために、その周囲の大人や、親を治療することはしますが、大人個人を治療することは、できるだけ避けるようにしています。やはり大人を治療している精神科医に任せるべきだと思うからです。ただ、まだまだ精神科医に発達障害の知識が不十分であることも事実です。大人は複雑で二次障害もありますし、もっともっと子どもの純粋なときから診ている私たちが、キチンと論理的にお教えできると良いなと思いますが。

 

先ほど、「私も診察してほしい」と申し出たお母さんは、有名大学の教授でした。

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