【医療従事者向け】「母親が最も困っていることを的確に捉える」

「母親が最も困っていることを的確に捉える」

医療法人社団 益友会 どんぐり発達クリニック理事長
医学博士 宮尾益知


 

私は、「学校での学習や行動の問題」が最も重要であって、「家庭の中の困った行動」は、些細な当たり前のことだと考えてきました。朝は起こさないと起きない、顔を洗ったり歯磨きをしたり、着替えたり、トイレ、朝食など…、「親が言わないとしない」という訴えに、「しょうがないんじゃないの、子どもなんだから。」と思っていました。

こういうお母さんに、お子さんの良いところについて聞くと、こんな会話になることがあります。

 

「でも、お子さんには良いところだってあるでしょう。」

「いいえ、何もありません。」

「でも、何か一つくらいはあるでしょう。」

「やっぱり、ありません…。」

 

このお母さんを変えていくためにはどうすれば良いのでしょう。

 

治療に入る前の家庭での状態を聞いてみると、学校の先生から毎日電話がかかってきて、子どものランドセルを開けると、ひどいノート、成績、おまけになくし物、忘れ物等々…。ですが、お子さんが服薬するようになり、効果が出てくると、学校での問題行動は驚くほど減ってきます。

明らかに学校での問題行動のひとつひとつは良くなっているのですが、「前とどこが違うのですか」の質問に、「そういえば、学校から電話がかかってきません。」という方の多いこと多いこと。

でも実は、朝の戦場状態はちっとも変わっていないのです。ですから、親の子どもへの気持ちは、まだ「ダメ息子」のままだったのです。ここに、気が付いてあげられることが大切です。

今度は、心理学的なアプローチで、片付け方、出かけるまでの段取りをキチンと行うように指導しました。でもちっともうまくいかないとのこと。そこで、違う種類の薬を、夕食後服用するようにしてみると、朝の支度がスムースに行えるようになりました。こうしてお母さんの子どもに対する気持ちが変わった時を、実際に見ることができました。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン
   
新規ユーザー登録
*必須項目