「海外でのLD支援教育とのかかわりから」

「海外でのLD支援教育とのかかわりから」

医療法人社団 益友会 どんぐり発達クリニック理事長
医学博士 宮尾益知


 

ある友人から知り合いの人のお子さんで、「インターナショナルスクールに行っている子どもで、学校を辞めさせられそうになっている子どもがいるんだけど…」と相談を受けました。

彼は、13歳の男の子です。診察室へ呼ぼうと思って、ドアを開けると、何となくボワンとした子どもがいました。ご両親にも診察室へ入っていただいて、お話を伺いました。お二人とも海外育ちの日本人で、バイリンガルです。お仕事は、海外と関係の深いマスコミとプロモーションで、何か余裕のあるご夫妻だと思いました。

お話を聞いていくと、不注意、時間にいい加減、忘れ物…など、エピソード満載で、学校での成績では、数学がようやく米国の基準に達する程度で、国語(英語)は基準をだいぶ下回っていました。

そのためいつも呼び出しで、放校になりそうだとのことでした。ADHD-RS(ADHDの重症度を判断するための評価スケール)は、不注意優位の高得点でした。WISC検査(知能検査)は、英語圏での生活が長く、英語で学習をしているとのことで、英語版のWISC検査を行いました。結果は、「言語知能が高くWM(ワーキングメモリー)が低値」という典型的なパターンでした。ADHDと診断し、治療薬として「コンサータ」を使い始めました。

1ヶ月後外来の待合室で彼の顔を見たとき、全く違う人のようにきりりとしていたことを覚えています。成績も上がりましたが、まだ十分ではなく、スペルの間違い、レポートが低得点など、まだまだ放校の危機は続きました。

医学で、しかも外来ではこれ以上できないと思い、「米国におけるLD教育の補習を受けたら?」とアドバイスをしました。その旨を、学校のスクールカウンセラーに相談すると、ハワイのLindamood-Bell Learning Processes.を紹介されたそうです。彼は、夏休み1ヶ月間を使って、夏季講習を受けられました。

その後の彼の成績のめざましい上昇はすばらしく、半年後には国語はDからBあるいはA-に、数学はAになりました。こうして学校からの呼び出しはぱったりとなくなったそうです。

米国でのLD教育は、どのように教えているのだろうかと興味を持ち、母親から資料などを見せてもらっていました。その後、母親が米国での2週間の講習会に出席され、その講習後、テキストなどを見せてもらい教育方法を知ることができました。

なかでもVisualizing and Verbalizing® Program for Cognitive Development, Comprehension, & Thinkingがおもしろそうなので、直接講義を受けたくなり、母親を通じて、米国の本部に直接掛け合いました。

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