家庭内の「盗み」問題、根気よくサポートを

「家庭内の「盗み」問題、根気よくサポートを」

医療法人社団 益友会 どんぐり発達クリニック理事長
医学博士 宮尾益知


 

13歳の鉄道マニアの男の子の事例をご紹介します。家庭内での「盗み」を主訴に、受診になりました。彼は、小学校低学年から鉄道好きで、小さい頃は父親が子どもを連れて、あちこちに連れて行っていたそうです。成績はあまりよくありません。仲のよい友達もあまりいません。

小学校6年生頃からは、近くですが、自分で出かけて、夕方帰ることも許されるようになりました。最初はSuica(ICカード)を渡していたのですが、Suicaで切符以外を買うようになり、遠くにも行くようになったそうです。そこで、鉄道だけでなく、コンビニなど様々な場所で買い物ができてしまうSuicaではまずいということになり、切符は毎回、券売機で買うことにしました。こうして、週末に一回2000円ぐらい、昼食代も含めて渡すようになっていきました。

12歳になると、こどもの料金が大人料金になります。今までと同じところに行っていても、倍の値段がかかるわけです。彼は、関東周辺の鉄道を巡っていくうちに、同じ鉄道好きの大人たちと知り合うようになりました。鉄道マニアの大人たちは皆、立派なカメラを持っていました。あこがれの気持ちがわき上がり、父のカメラを勝手に持って出かけるようになりました。会うたびに、大人たちからは、遠くに行ったときの思い出が語られます。こうして、「大人たちと同じ事をしたい」という欲望がふくれていくにつれて、お金への欲望は限りなくなってきました。母親の財布から数千円、父親の財布から数万円の盗みが続いていました。

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