ADHDの人との付き合い方、生活の工夫

女性のADHD

■「片付けられない」「時間を守れない」に当てはまったら、ADHD?

「私も片付けが苦手だし、ついつい時間に遅れがちだけれど、それってADHDなの?」と疑問に思う人も、たくさんいるでしょう。ADHDという診断基準は設けてありますが、ADHDは基本的にグラデーションです。人間は、ADHDの人/ADHDではない人の2種類にはっきりと分けられるわけではありません。ADHDと診断されても、症状の出方・程度は人それぞれですし、診断されなくても、ADHDの特性を持つ人が多くいます。簡単に言ってしまえば、その人の特性がたまたま社会環境に合わず、治療を必要とする場合にだけ診断が下されるのです。ADHDの特性を持っている人でも、社会で上手く暮らしていけるのならば、診断も治療も必要ないでしょう。

 

■ADHDの診断の仕方

ADHDを診断するにはまず、自己記入式の症状チェックリストを行います。いくつ当てはまったらADHDの可能性がある、という基準があるのです。ただ、これは自己記入式なので本人の意思によって簡単に左右されてしまう部分があります。(診断方法によっては、家族やその人の属する社会に記入してもらう事もあります。)医師はチェックリストに書かれていないADHDの症状が表れているかどうかをかなり重視し、心理検査などを行いながら、類似の症状のある疾患である可能性をひとつひとつ除外して、ADHDと診断していきます。

 

■ADHDの二次障害

ADHDの人は、日常生活で困る場面が多いことから、うつ病や不安障害になってしまう人も多くいます。学習障害も生じることがあります。宮尾先生が出会ったある女性のADHDの方は、小さい頃から母親に「お前は結婚生活ができないから、結婚するな」と、ずっとバカにされてきて、精神的にボロボロになってしまったそうです。とても頭の良い方でしたが、仕事でミスが重ねてしまい、うつ病になってしまいました。家族歴(=親族や同居者の病気・健康状態のこと)でも、鬱と思われる方が多かったことも特徴としてあったそうです。

また、読み書き障害、(いわゆる学習障害)の中には注意障害を伴っているものがあり、その注意障害がADHDに該当する場合があります。

 

■薬物治療以外で、普段からできる対処法とは?

発達障害の第一人者である宮尾益知先生が、担当していた患者さんのエピソードを紹介してくれました。

お子さんがADHDで治療をしていたときのお母さんですが、自分も時間が守れない、片付けられない、不注意などがあり診断を希望されました。服薬をしたところすべての症状が劇的に改善しました。このまま服薬を続けられるのかと思っていたら、「どうしたらいいのかわかったので、薬は飲みません」とおっしゃっていました。どうしたかというと、手持ちの茶碗、どんぶり、小鉢などをすべて捨てて、同じ種類の皿にすべてそろえてしまいました。積み重ねることができるというわけですね。
別の方は、お皿の数を減らしていました。ワンプレートで、いくつかに分かれているお皿ありますよね。あれで、朝昼晩、食事していました。ご飯類、肉・魚、スープ、それからデザートの位置がそれぞれ決まっていて、それぞれを毎回変えていくわけです。例えば、ご飯類の位置には白米や、パン、もちなどの主食を入れる。自ずとバランスの取れた食事を摂れますし、片付ける困難からも解消されます。

部屋の片付けは、同じ種類のものをまとめてしまっておくようにすると、楽になります。例えば、上着はこのタンス、下着は必ずこの場所、というように決めてしまうんです。それからタンスの段の順番は下から靴下、ズボン、シャツ、上着というように、意味を持たせておくと、どこに何があるのか簡単に覚えられます。

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