発達障害の夫を持つ妻の悩みー“カサンドラ”は病名ではない

カサンドラ症候群

■「カサンドラ」とは?

自閉症スペクトラム(アスペルガー)の特徴である「共感性の欠如」に日常的に接し続ける苦しさとそのことを他人に話しても理解してもらえない苦しさとで心身を病んでしまう状態。
(野波ツナ「旦那さんはアスペルガー 奥さんはカサンドラ」より)

 

■“カサンドラ”は病名ではない あくまで「関係性の問題」

「カサンドラ症候群」という言葉を聞くようになってきました。
しかしこれは、病名ではありません。
あくまで、人と人の“関係性を主体にして考えて、なり得るもの”と考えます。
例えば、夫と妻がいて、夫からいじめられて、妻がウツになった。そうした場合、夫がいなければ、妻はウツになりません。いわば、妻に一番のゆがみが来た状態です。だとしたらこの妻だけにフォーカスして治療していくことは、根本的な解決にはつながりません。夫婦全体をある方向に動かすという「家族療法」が必要となるのです。
家族がうまくいかない場合、家族一人一人が全員病理(=病気の原因のこと)を持っている、といえます。
みんな病んでいるのだけど、ある人にだけ症状が「大きく」現れている、それが妻だということです。しかし、妻だけが悪いのでもないし、妻にたまたま現れただけなのです。
だとしたら、家族みんなに総合コミュニケーションと、思いやりがあれば、解決することなのです。
一人一人、個がしっかりすることも一つ。お互いを思いやり、一人一人考え方が違うことを、やはり理解しなくてはいけません。

■妻が注意すべきこと 「察してほしい」という気持ちを強く持たない

発達障害の分野の第一人者である宮尾益知先生はこう話します。

「カサンドラ」に悩む家庭の話を聞いていると、どうも妻の「察してほしい」という気持ちが大きすぎる傾向にあると感じます。まず、「夫は察することが出来ない人だ」ということをしっかりと理解しないといけません。ある意味で言うと、「期待」なのでしょう。「自分の気持ちがわかってほしい」という。

おそらく、小さい時、自分が育った家庭や両親の像が影響しているのだと思うのですが、特に育ちが良かったりすると、父親とはこう、夫とはこう、という“幻想”をもって結婚してしまいます。当然、夫は自分のことを認めて、自分の気持ちを分かってくれると思っているので、自分からサインを出しても、全く反応されないとなると、期待を裏切られ大きなショックを受けてしまうのです。
もう一つ、日本では理想的な「父親」像はありますが、理想的な「夫」像は無い、ということがあげられます。
ご主人は、家の中では、「夫である時」と「父である時」の二役を演じなくてはいけません。休みの日に子どもを公園に連れて行ってくれるのは、「父親」です。これは、「夫」としての役割ではありません。
妻の話を聞いて、支えるといった「夫である時間」をきちんと作らないと、妻がウツになってしまうことがある、と宮尾先生はいいます。

日本では特に、結婚後の夫婦間の呼称が「お父さん」「お母さん」「パパ」「ママ」と家族を軸にしたものになっていくことも多いものです。家族の在り方の軸が、「親」にシフトしすぎてしまっているのかもしれません。
男性は特に、いろんなパターンを変えていくというのは難しい傾向にあります。「結婚する」ということは「新しい家族を作る」ということです。その展開がうまくいかない男性が多いようです。恋人同士から、新婚時代、そして、子供が産まれて・・・となった時、子供が自分の敵になるような人もいます。奥さんが子供をかわいがっていたら、子供にヤキモチをやいたりしてしまうのです。
「家族」は、子供が生まれたりして、変わっていくものなのです。その切り替えが全然うまくいかないという問題もあるのです。

■夫が注意すべきこと “外の自分を家の中に持ち込まない”

まず、発達障害の夫が、注意すべきことが一つ。“外の自分を家の中に持ち込むな”ということです。

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