発達障害の青年の思春期問題

発達障害の青年の思春期問題
「クジャクはなぜ雄が着飾るのでしょうか」

医療法人社団 益友会 どんぐり発達クリニック理事長
医学博士 宮尾益知


ずっと診ている患者さんから、
彼の18歳になる男の子についての相談がありました。

最近、女の子を見るとむらむらして、さわりたくなってしまう、
部屋の中はヌード写真だらけ。
「そんなことを考えているのは僕だけだと思う。
きっと変態だと思うよ、僕は。どうしようもないやつだよね。」
と言っているそうで、
彼が女の子のそばを通ると、さわったのではと心配でたまらないとのことです。

みんな、多かれ少なかれこういうことは考えています。
でも彼は男の友達がいません。
一つには、女の子の多い高校だということもあるのですが。

通常、思春期は、男の子同士むれて悪いことを教えあい、
どこまでして良いかなど、皆で共通に意識を持っていきます。
ひとりで考えていないで、お互いにコントロールしていくことから、
犯罪に至らない理性が生まれていきます。
でも、彼にはこのような仲間がいないので、
自分ひとり(父親もいますが)、そこまで話せませんから。
私はその時、彼の赤い横縞のTシャツを見て、
なぜかクジャクを思い出しました。

「クジャクを知ってるかい。クジャクは雄の方がきれいなんだよ。
なぜかというと、目立てば目立つほど、
雌から選んでもらう事ができるから。
羽を広げ、美しい声で歌うんだよ。
お父さんもこうしてお母さんから選んでもらって、
君が生まれることになったんだから。
君もすてきな女性に選んでもらいたかったら、
毎日鏡を見て身だしなみを整えなくては。
君が選んだりしちゃいけないよ。もちろんさわったりしてもね。」
こうして、彼はとても嬉しそうに帰りました。自分を着飾るために。

性犯罪を起こさないまでも、
彼らのような子供たちは誤解されやすい子供達です。
思春期の仲間から悪い知恵を授かることのできない子供達です。
この子供達にも、すてきな思春期を作ってあげることができるといいけどな。
どうすれば…、いつまでもクジャクだけでもないしな…。

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